「近畿勢の結束」こそが稲垣を支える最大の原動力だった。また、今回は準決勝で村上兄弟が敗退。地元最後の砦として、期待を一身に背負い込んだ稲垣のボルテージは最高潮に達していた。
競走では、松本整、村上義弘ら京都勢に脈々と受け継がれる“魂の競走”を披露。豪快な先行策で武田、海老根らの別線を力でねじ伏せ、ラインで連独占を決めた。“近畿の結束”を身を持って実践した勝利に、表情も晴れやかだ。
「今日ほどラインのありがたさを感じた競走はない。武田さんは何でもできるし、本当に戦いにくい相手だし、最悪モガキ合いも覚悟していました。早めに出て行く気持ちがあったのが正解でしたね。それだけにラインの大事さを改めて実感しています。今回も地元だけでなく、近畿全体から優勝者を出そうと皆で盛り上がっていました。それだけに、ラインで決められたのが何より嬉しい」
稲垣は常に、地元記念を“特別競輪と同じくらい大事”と話していた。それだけに感激もひとしおだ。
「京都の名だたる先輩達が地元記念を制していたし、何としても取りたかった。初日は気負いすぎたけど、その後は落ち着いたレースができた。今日も先行で勝てたし内容には満足しています」
前回のふるさと福井の決勝では惜敗したが、その悔しさを一気に晴らした。今回の勝利は、この先に続くG戦線に向けて大きな自信となったに違いない。
「自分は慢心せずにこれからもやっていくだけです。今回のように、近畿が一つになって、大きいレースを取れるようこれからも頑張っていきます」
号砲で海老根恵太、兵藤一也が飛び出すと、そのまま海老根―兵藤で前受け。残り7人はややけん制気味のスタートになったが、中団から稲垣裕之―前田拓也―中沢央治―西岡正一―武田豊樹―神山雄一郎―山口貴弘の並びで周回を重ねる。
青板4コーナー手前から武田が上昇を始める。武田は中団から合わせて動く稲垣を封じて打鐘前から先頭に立つと一度ペースをスローに。そこをすかさず稲垣率いる近畿勢が襲い掛かる。武田は合わせて踏む素振りを見せて車を下げたが、武田と接触した神山が2センターで落車。これを山口、西岡が避けると、近畿ライン四番手に武田、その後ろに西岡が入り、海老根―兵藤は立ち遅れてしまう。武田はすかさず2コーナーからまくって出るが、中沢のアウトから車が進まない。その外をバックから踏み上げた海老根も伸び切れない。武田後位から西岡が再び近畿四番手に付け直すと、いよいよ最終ホームへ。番手の前田が懸命に詰め寄るが、稲垣がこれを退け地元記念初優勝。逃げた近畿勢で上位を独占した。 レース結果はこちら
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